〜海賊ぽんぽこ団シリーズ〜1st. 立案・文:さとぽん(S) M:面舵いっぱ〜〜〜い! S:らじゃっ! 太陽はニコニコと微笑み、爽やかな潮風は2人を優しく包みこむ。ガレオン船に乗った2人は、白い波を従えて大海原を南へ下ってる。 S:提督! ちょっくらお聞きしたいことがあるんですが M:な〜に〜、ちゃとぽん? S:んと。。。南へ下るのは理解できましたが、これから一体何処へ向かうのでありますか!? M:何処へって。。南と言えば、アマゾンに決まってるじゃん。そこに虹色の木があって、その根元に宝物があるんだってよ〜☆ それと、いつも通りの喋り方で、「提督」じゃなくて「ましろ」って呼んでね☆ ましろもちゃとぽんのことを「総料理長」なんて呼ばないでしょ? 2人しかいないんだしね〜 S:うん、わかった。それにしても、お腹が減ってきたにゃあっ M:ましろもおなかすいた〜。。ちゃとぽん、何か作って☆ S:う〜ん。。。せっかく海にいるんだから、豪勢に海の幸を堪能したいのお。てなわけで、おいら魚を釣るよ。ちょっくら待っててねん♪ M:釣れるの〜? S:任せとけいっ! おいらは釣竿にルアーをセットして、大海原に投げこんだ。 S:んと。。。この辺は回遊魚の宝庫だと思うの。ほらっ、あそこでカモメが群れとるやん。ってことはだ、あの辺に小魚がたくさんいて、カモメはその小魚を食べにきてるんだと思うの。んだから、海の下には、小魚目当ての大きな回遊魚がウヨウヨ〜って感じなんちゃうかなあ おいらはカモメが群れてるとこを指差した。 M:うんうん、すごいね、ちゃとぽん☆ 大きいの釣れるといいね〜♪ S:だね〜 1投目、スルー。。。 2投目、普通にスルー。。。 3投目、何事もなくスルー。。。 以下、幾度となく繰り返す。(^_^;) ふうっ、意外に疲れるにゃあ・・・ 30投くらいしただろーか。。。いきなり竿が絞りこまれた。強いヒキ。いくらガタイのいいおいらでも海中に引きずり込まれそうになる。そんな大きな魚がかかってるらしい。。。 M:ちゃとぽん、大丈夫? ましろはおいらの腰に手を回した。 M:2人で力を合わせれば大丈夫だよ☆ S:ありがと〜。。。うるうる(T-T) 1時間くらい格闘して海面に上がってきたのは、それはそれは見事なマグロだった。2メーター近くの。その鈍い銀色の魚体は、デッキに上げられても、まだビッチビチに暴れていた。おいらはマグロを担ぎ上げ、ましろに見せた。 S:ましろ! 美味しそーなマグロだよ〜♪ 100キロくらいあるんちゃうかなあ。。。2人で力を合わせて釣ったんだよ〜♪ M:すごいね〜☆ てゆ〜か、ましろは生のマグロが苦手だから、何か調理してね☆ S:あい♪ M:ん〜。。ちゃとぽんが調理している間、そのマグロをエサにして、更なる大物を狙ってみるね☆ おいらがマグロをさばいてると、ましろはルアーのフックにマグロの切り身をつけ、海中に投じた。 5分後。。。上がってきたのは、めっちゃ大きな伊勢エビだった。その後も次から次へと、ましろは大きな伊勢エビを釣りあげた。10匹くらい。 S:すっげ〜っ! M:これくらいでいいかな。さっ、ちゃとぽん、食べっぞ〜♪ 船上では、マグロと伊勢エビの食べ放題バイキングが始まった。マグロの刺身にかぶと焼き、ステーキ、カルパッチョ。伊勢エビの刺身に鬼殻焼き、グラタン、鍋。 S:ふうっ、食った食った。おなかポンポンやで〜♪ M:美味しかった〜☆ S:残ったマグロの切り身は干しといて非常食にするべな M:うんうん☆ 満腹になった2人は笑顔になった。 S:ふふん。後はましろを食べるだけじゃ〜〜〜♪(^O^) おいらはましろの首すじにかぶりついた。かぷりっ♪ M:イヤ〜〜〜! 何すんのよ、もうっ! ちゃとぽんのカバカバ、おバカ〜!!! ましろはおいらを引っかいた。 S:痛っ!(T-T) M:いい、ちゃとぽん! これは遊びじゃないんだよ。2人は海賊で、宝物を探してるんだぞ〜! しかも、ましろは、この船で一番偉い提督なんだぞ〜!! S:う、うん(T-T) M:ほらほら、泣いてないで。。行くぞ〜〜〜っ! S:うん、わかった!(^O^) 後どのくらい進めばアマゾンに着くかわからなかったが、とにもかくにも2人は旅立ったのである。 M:しゅっぱ〜つ、しんこ〜〜〜ぅ! M:ちゃとぽ〜ん。。この辺じゃないかと思うの S:うにゃっ? ましろが差し出した海図には、ソフトクリームの形をした島があり、その中央くらいに「×」ってゆー印があった。 M:この島、海図の島に似てるでしょ? S:そーやね、きっとこの島だよ。形がクリソツやもん。で、この「×」は、例の宝物のありかなん? M:うん☆ 出てくる前、ネットで調べたから間違いないと思うんだけど・・・ S:ネットに宝物のありかが載ってるんだ!?(^_^;) M:そうだよ。なんか文句でも? S:い、いへいへ・・・(^_^;) まっ、横浜ウオーカーじゃないだけでもいっか・・・ M:上陸すっぞ〜♪ S:お〜〜〜っ! 島の北西の海岸沿いにガレオン船を繋留し、2人は手を繋いで歩き出した。うっそうと繁った熱帯の木々が2人の邪魔をしてる。薄暗い。進むに連れ、太陽が届けてくれる光もどんどん少なくなってきた。 M:ちゃとぽ〜ん・・・ S:うにゃっ!? ましろはおいらの手を強く握った。おいらはましろの手を強く握り返した。 も、もしかして怖がってる!? 人の手のカタチに似た大きなシダのよーな葉が湿気を帯びた風に揺れている。おいらは妄想した。 ここで、葉っぱがガサガサって音を立てたら、ましろは怖くなって間違いなくおいらに抱きつくやろ。したら、おいらはましろを思い切り抱きしめて、「大丈夫!」とか何とか言い返して見つめ合うやん。で、ましろは濡れた瞳でうるうるおいらを見つめるから、そこで必然と熱いキッスを交わすことになるのじゃあ♪ ついでに、あんなこともこんなこともしちゃる〜〜〜♪(R18指定) うん、そーゆー方向で♪ M:ちゃとぽん! あそこで何かガサゴソ音がしてる S:何処どこ〜!? おいらはましろが指差す方向を見た。確かに、シダのよーな葉が大きく揺れていた。 S:ふむふむ。おいら見てくる4。てか、ましろも一緒に行くべさ ここは、ましろから抱きつかせねばならんのや! M:え〜〜、ましろはイヤだな〜。。ちゃとぽん、見てきてよ〜 S:ダメ〜! 何事も経験やろ。うちらは海賊なんやから、怖いもんなんて何もないのさ〜♪ M:ぶう〜っ!! イヤがるましろの手を無理やり取り、揺れている葉っぱ目掛けて進んでいった。 ぴきゃあああああああっ! 大音量の鳴き声(?)が辺りに響き、おいらの頭をかすめて、その何かはバサバサッと大空に羽ばたいて行った。 S:きゃあああああああっ! おいらはビックリしてましろに抱きついた。 M:きゃはっ☆ ちゃとぽんは怖がりだなあ S:な、な、なに〜〜〜、今の!?Σ( ̄ロ ̄lll) M:ん〜、何か鳥みたいだったよ。色が変だったけど S:鳥かよ!? って、ましろは怖くないのん!? M:怖くないよ〜、鳥なんか S:ほえ〜っ。。。だってだって、さっき怖がってたよーな気がしたんですけど・・・ M:なにがよ〜? S:だって、さっきプルプル震えて、おいらの手を強く握ってたやんか〜 M:うん? そうだっけ。。ましろはトイレに行きたいの。おしっこもれう〜! S:もれう〜!って・・・(^_^;) M:ちゃとぽん、ここで待っててね。。ちょっとおしっこしてくる〜 S:んだよ〜、色気のないやつだにゃあああっ! M:来ちゃダメだからね! S:はいはい。しゃーない、タバコでも吸ってるよ。。。ふうっ おいらは辺りを見回した。大きなシダの葉が人の顔に見えてくる。 ううっ・・・。ましろ、早く帰ってこないかな。タバコ1本吸っちったじゃないか・・・ そのときだ! おいらの後方から、ガサゴソと音が聞こえた。ビックリして振り返ると、そこにはましろがいた。 M:ちゃとぽ〜ん! S:きゃあっ、 ビックリするじゃないか〜〜〜! M:し〜っ! ましろは右手の人差し指の先を上に向けながら口許に近づけた。 S:うにゃっ!? M:んとね、あっちにさっきの鳥がいるの。てか、あったのあったの・・・、とりあえず、行こっ! S:ほえ〜っ!? ましろはおいらの手を強く握り、小走りになった。50メートルくらい進んだろうか。。。 M:あそこの茂みの向こうにいるの 小声のましろを見て、おいらはちょっくら緊張してきた。 ぴきゃあああああああっ! 2人の存在に気がついたのか、例の鳥の鳴き声がしてきた。威嚇しているのか? M:ほらね ましろの一言においらは頷いた。恐る恐る目の前にあるシダの葉をどけて、辺りの様子を伺ってみる。そこには虹色に輝く大きな木が1本。多くのシダに守られるように囲まれていた。 S:おっ、レインボーツリーや。。。あっこの根元に宝箱があるんちゃうの? M:ちゃとぽん、し〜っ! 上を良く見て。鳥がいるの おいらはましろに言われるがまま視線を上にずらしていった。最初、辺りの虹色に同化して気づかなかったが、高い所の枝に1羽の虹色の鳥がいた。 ぴきゃあああああああっ! 2人を威嚇しているのか、虹色の羽根でバサバサッと羽ばたいていた。 ううっ、けっこう大きい・・・ おいらはましろを見た。ましろはおいらを怪訝そうに見返した。 M:うにゃっ? S:こ、こ、こーしててもしゃーないから、ちょっくら近寄って宝箱があるか見てくる4 おいらは意を決した。 M:大丈夫? S:う、うん。。。なるよーになるべさ(^_^;) おいらは虹色の鳥から目を離さないように、一歩を踏み出した。 ぴきゃあああああああっ! 虹色の鳥は、おいら目掛けてバサバサ〜っと飛んできた。侵入者を攻撃するつもりなのか!? おいらは目を閉じ、頭を抱えて覚悟を決めた。 や、やられる・・・ がっ! 走馬灯の様に数々の思い出が蘇りそうになった瞬間、ましろがおいらの前に立ちはだかった。両手を横に大きく広げ、虹色の鳥を睨みつけている。 S:危ない! 突然目の前に現れたましろに驚いたからか、虹色の鳥は急旋回をし、ましろの頭上でホバーリングを始めた。 M:ちゃとぽんをイジメちゃダメ〜! か、かっこいい・・・ しばらくの間、ましろと虹色の鳥は睨み合っていた。 M:ちゃとぽん、大丈夫? S:うん♪ ましろの目がおいらの方に移った瞬間、虹色の鳥が舞い降りてきた。 S:あっ、危な〜い!!! おいらがましろに声をかけるのと同時に、虹色の鳥はましろの頭にちょこんと乗った。その見事な攻撃(?)に、おいらは呆気に取られ、それ以上は声も出せなかった。 M:うにゃっ? S:きゃあああっ、大丈夫なん!? ぴきゃっ♪ 虹色の鳥は今までとは違って可愛らしい声で鳴いている。 ぴきゃぴきゃっ♪ M:ん〜〜〜、大丈夫。。かな 近くで見ると、虹色の鳥はとてつもなく大きく感じた。ちょうどましろの頭が2つあるようにも見える。小型の猛禽類くらいの大きさだろうか。。。大きなオウム? おいらはましろに近寄った。 ぴきゃあああああああっ! 虹色の鳥は羽根を広げ、口を大きく開いて、おいらを威嚇した。 S:なんで〜〜〜!?(T_T) M:きゃはっ☆ ましろ、怪しいから嫌われたんじゃないの〜? おいらがましろから離れると、虹色の鳥はさえずりながら、ましろの頭を羽繕いし始めた。 M:きゃっ、くすぐったい S:何か、ムッ! いいよ、おいら宝箱を探してくるから 虹色の木の下に行くと、当たり前のように金色の宝箱があった。まるでドラクエみたいなRPGに出てきそうなものだ。 S:来てみそ! ましろは虹色の鳥を頭に乗せながら、ノコノコとやってきた。 S:ちょっと重いけど。。。さっ、開けるよ! M:うん☆ S:つか、鍵がなくても開くんかなあ。。。こーゆーときは、大抵、魔法の鍵とか必要になるんちゃうの〜!? M:どうだろ・・・ おいらは宝箱を開けようとした。どうやら鍵はかかってないようだ。宝箱を開けると、1枚の紙切れが出てきた。 S:何これ。「宝は頂いた。ここには、もう何もないも〜ん!」だって・・・ M:誰か持って行っちゃったんだね〜? S:だね。ざんね〜ん! どーする、この宝箱だけでも記念に持って帰る!? けっこう綺麗だよ。金色だし、重いし。。。純金かもしれないやん M:いいよ。ましろが興味あるのは、宝箱じゃなくて宝だもん。。さっ、ちゃとぽん、帰っぞ〜! S:うん♪ さっそうと歩き出したましろ。おいらは宝箱に後ろ髪を引かれて振り返ってみた。木漏れ日に反射してキラキラと金色に輝く宝箱があった。 帰り道、ましろの手を取ろうとしたっけ、虹色の鳥に睨まれて断念したことは内緒にいておこう・・・(^_^;) M:面舵いっぱ〜〜〜い! S:らじゃっ! 太陽はニコニコと微笑み、爽やかな潮風は2人と1羽を優しく包みこむ。ガレオン船に乗った2人と1羽は、白い波を従えて帰路についた。 S:つか、いつまで、その鳥、頭に乗っけとるん!? M:ん〜。。なついちゃったみたいだね☆ アムちゃん可愛いし、かしこそうだから連れて帰ろっかな♪ S:アムちゃんって。。。名前つけたんだ!? M:そうだよ。なんか文句でも? S:い、いへいへ・・・(^_^;) ぴきゃっ♪
アムちゃんはましろの耳元にクチバシを近づけ、楽しそーにさえずっていた。 やっぱ、ムッ・・・ S:てゆーか、近づくと、睨むわ、威嚇してくるわ。。。このままだとましろと手も繋げないし、おいら泣いちゃいそーでし(T_T) M:ふう〜っ。。しょうがないな〜、ちゃとぽんがアムちゃんになつかれるよ〜に特訓しよ〜か? ましろはアムちゃんを優しく抱きかかえ、おいらの顔に近づけた。 ぴきゃあああああああっ! アムちゃんが大声でおいらを威嚇した。 ううっ・・・(T_T) M:アムちゃん! ちゃとぽんは敵じゃないんだから、怒っちゃダメなんだよ〜。いい〜? アムちゃんはましろの鼻の頭をチョロッと舌で舐めた。 ぴきゃっ♪ M:きゃはっ☆ んじゃ〜、もう1回ね 再び、ましろはアムちゃんをおいらの顔に近づけた。アムちゃんはおいらの鼻の頭をチョロッと舌で舐めた。が。。。目が寄り目気味にワニ目になって、ずっとおいらを睨んでいたことをましろからは確認できていないだろう。 げっ!(^_^;) M:はい、これで仲良しさんだね☆ アムちゃんはおいらを睨んだ。 S:う、うん・・・(^_^;)(^_^;)(^_^;) M:さっ、帰っぞ〜〜〜! S:うん♪ M:しゅっぱ〜つ、しんこ〜〜〜ぅ! 仲間が1羽増えた海賊ぽんぽこ団。提督のましろ、総料理長のおいら、マグロの干し肉をマストの上で食べてるときと寝るときとトイレ以外はほとんどましろの頭に乗っかっているオウムのアムちゃん。この2人と1羽で、これからも宝物探しの旅は続くのです。 おっしまい!m(__)m 注)この物語はフィクションです。海賊とゆー響きが好きで、海賊になってみました。ホントは、海賊とゆーより、トレジャーハンティングの話しなんですけどね。 |