〜海賊ぽんぽこ団シリーズ〜 3rd.
北極の主?が現れたの巻
2009.10.30

立案・文:さとぽん
監修:
ましろ

S:てかさ〜、どんどん寒くなってくるんちゃうの〜!?

M:そりゃ、そ〜だよ。北に向かってるんだからね〜

S:ほえ〜。。。ど、何処に行くつもりなん?

2人は大海原を北に向かってガレオン船を走らせている。空は高く青く、波は穏やかな秋のとある一日。提督のましろと総料理長のおいらはデッキの上で寒さに震えていた。虹色の鳥アムちゃんはましろの頭の上で震えていて、新参者のライオン(♂)獣王は船内の部屋に置かれたコタツの中で丸くなっている。

M:北といえば、北極に決まってるじゃん♪ 

S:ほよ〜。。。な、何をしに行くん!?

M:はい〜? 宝物を探しに行くに決まってるじゃん!!

S:・・・

M:あれっ、黙っちゃうの〜?

ましろにはかなわないにゃあ・・・。きっと、宝物の在処をネットで調べたんやろな〜

S:らじゃっ! つか、まだ秋も初めの頃なのに、やっぱ寒いもんなんだねえ・・・

M:だね〜。。ちゃとぽん、防寒着取ってきて☆

S:う、うん

M:そういえば、この辺なら、夜、オーロラが見れるんじゃないの〜? この辺で一晩明かしてみちゃう〜?

S:ほえ〜っ、こんな寒くて危なそーなとこで夜を迎えるの〜!? そんなんイヤ〜ン!(T_T)

おいらは震えながら船室に降りた。獣王が中で寝てるであろうコタツが真ん中にあり、その脇に衣装類の入ったバッグが置かれていた。

あれだ!

おいらはバッグを開け、2人のダウンジャケットとマフラーを取り出した。そこで、ふと気になったコタツの中。恐る恐るコタツ布団を上げてみた。

ほよ〜。。。いないぞ〜。獣王が!

コタツの中を見回しても獣王はいなかった。しょうがないから、コタツの中から顔を出した。が、その途端、鋭い視線を背中に感じたのである。

げっ! ここで振り返ったら、ヤバヤバな気がするる。ど、何処に隠れてたんやろ。。。ここは知らん顔でデッキに戻らねばだわ

おいらは抜き足差し足で階段を上った、デッキへと続くドアを開けると、ましろがこっちを見た。

M:あっ、獣王♪

S:や、やっぱ〜・・・Σ( ̄ロ ̄lll)


(獣王の図)

獣王はおいらの横をすり抜け、ましろの足下に寄っていった。

みゃあああっ♪

S:みゃあああっ♪って、あ〜た。。。つか、シッポで人のお尻を叩くなよな〜(^_^;)

M:よしよし、獣王は可愛いね〜☆

(^_^;)(^_^;)(^_^;)

S:ん〜、こやつら、サバンナとアマゾンのコやから、この寒さには弱いんちゃうの〜!?

M:ん〜? 大丈夫だよ。こんな毛むくじゃらだし、ちゃとぽんよりも強いコ達なんだからね〜☆

みゃあああっ♪

S:ふむー、そーゆーもんかねえ・・・

おいらましろの頭の上にいるアムちゃんを見た。やっぱプルプル震えているように見える。

M:ねっ、アムちゃん?

ぴきゃっ♪

M:ほらね〜

S:ふむふむ

おいらは、旅に出る前にユニクロで買ったダウンジャケットとカシミアのマフラーをましろに手渡した。色は違えど、2人はお揃いのカッコになった。ペアルックなり♪

アムちゃんは獣王の頭の上に飛び移った。

M:ちゃとぽん、似合ってるじゃん

S:ホント〜!? ありがと。ましろもめっちゃ可愛い4♪

おいらましろに近づいた。見つめ合う2人。微笑んだましろおいらましろにキスをしようとしたとき、船体がガタガタッと大きく揺れた。

ぴきゃあああああああっ!

M:な、なになになに〜?

見上げると、突然、目の前に流氷が現れた。流氷とゆーより、氷山ともいえる程の大きさだ。

S:きゃあああああああっ!

氷山がどんどん近づいてくる。ダメだ〜・・・、ましろ、今までホントに楽しかったよ

これまでの人生が走馬灯のようにおいらの脳裏を横切り始めたとき、ましろが声を上げた。

M:ちゃとぽ〜ん! ほらほらっ、慌ててないで、エンジンを逆噴射させて。あの氷山に近づいてみようよ

S:ほえ〜っ・・・、マジ〜!? てか、わかった、やってみるる〜

おいらは舵を強く握りしめ、スピードを落としつつ、船体を横にしながら氷山に近づいた。ガレオン船は、氷山にゆっくりと横を向けてペタッと張りついた。

M:やればできるじゃ〜ん?

S:うふっ。手に汗握っちゃったよ。で、これからどーするん!?

M:そりゃっ、探検するしかないでしょうよ〜? 

アムちゃんは獣王の頭の上でまだ震えている。おいらはアムちゃんに恐る恐る近づき、首においらのマフラーを巻いてあげた。意外なことに、アムちゃんは大人しく首にマフラーを巻かれた。ずっとおいらを横目で睨んでいた。

ふうっ・・・(^_^;)

S:ほえ〜っ・・・、探検だなんて、だ、大丈夫かなあ!?

M:大丈夫でしょ〜? ちゃとぽんが先陣を切ってくれるから

S:げっ! そ、そーゆーことでしたか・・・(^_^;)

M:ん〜、提督の言うことに何か不満でも〜?

S:い、いへいへ

M:じゃっ、行くぞ〜っ!

S:おーっ! てかよー、向こうのほーにシロクマさんが見えるのは気のせいでしゅか!?

M:ん〜? 

S:何かを狙ってるよーにも見えるんですけど・・・

M:ん〜。。まっ、気のせいでしょう

S:そっか・・・(^_^;)(^_^;)(^_^;)

おいらが一歩を踏み出したとき、マフラーを首に巻いたアムちゃんが獣王の頭から飛び立った。マフラーが邪魔してるせいか、いつもよりだいぶ飛びづらそうに見えた。

S:何処に行くんだべか!?

M:さあね〜。。ちゃとぽん、追いかけて!

S:らじゃっ!

アムちゃんは、シロクマさんのほーに向かってるよーに見えた。

危ないなあ。。。いくらアムちゃんと言えど、シロクマさんに捕まったら勝てる訳ないっしょ

おいらはそんなことを考えつつ、アムちゃんの姿を追った。獣王はとりあえず傍観を決め込んでるらしい。

ぴきゃあああああああっ!

アムちゃんは、シロクマさんの上空で大きく円を描きながら飛びつつ、大声で何度も鳴いた。それと同時に、シロクマさんに狙われている黒くて白い小さな動物?がおいらの瞳に映った。

S:あ、あれは・・・

M:なになに〜?

S:ありはペンペンやろ〜!? ペンペ〜ン!!!

おいらはいても立ってもいられず、早足で現場に向かった。事件はやっぱり現場で起きているのだ。(古)

M:ちゃとぽん、危ないよ〜。。てゆ〜か、ペンギンが北極にいるなんて聞いたことないよ〜

S:なんで〜!?

M:ペンギンは南極にしか住んでないんだよ〜?

S:そーなん!? んでも、ありはペンペンに間違いない! はぐれペンペンかもしれんし。きっと、たくさんの経験値がゲット出来る4

おいらましろと獣王を残して走っていった。

気がつくと、あっという間に現場にたどり着いていた。傷ついたペンペンに、シロクマさんが今にも襲いかかりそうな雰囲気だった。

S:ダメーッ!

と、そんなことを偉そうに言ってから気がついた。おいらの2倍以上は軽くあるシロクマさんの大きさに。全身はお風呂でシャンプーしたくなるようなバサバサの毛に覆われ、口は大きく、その歯は鋭く尖り、手の爪は鈍く光っていた。

げっ! こ、怖い・・・、来なきゃ良かったかもかもΣ( ̄ロ ̄lll)

シロクマさんはジリジリとおいらとペンペンに向かって進んできた。

きゃあああああああっ!

絶体絶命のピンチだった。そのとき初めて自分の浅はかさに気がついたが、もはやどうしようもないことは明白の事実だった。

おいらがシロクマさんと戦おうと覚悟を決めたとき、アムちゃんがシロクマさんの頭をわしづかみにして大声を上げた。

ぴきゃあああああああっ!

さすがのアムちゃんもシロクマさんを持ち上げることは出来なかったが、おいらが攻撃するのに十分なスキを作ってくれた。おいらはシロクマさんに捨て身のジャンピング・ニーパットをした。

残念なことに、そんな捨て身のジャンピング・ニーパットもシロクマさんにはあまり効いてなかったようだ。すぐに体勢を立て直し、おいらを睨んだ。アムちゃんは上空を再び旋回し始めた。ペンペンは身動き一つしていない。

く、くまった・・・

M:ちゃとぽんをイジメちゃダメ〜!

満を持して、ましろがやって来た。

か、かっこいい・・・

しばらくの間、ましろとシロクマさんは睨み合っていた。お互いに一歩も引かない。

そのときだ! 獣王がシロクマさんの背後から吠えた。

みゃあああああああっ!

おいらは思わず苦笑してしまった。

この後におよんで、みゃあああああああっ!はないやろ・・・、普段よりちょっくら声が長くて大きいだけやないけ〜

それでも、シロクマさんは背後から聞こえる獣王の声に一瞬たじろいだ。そのチャンスを見逃さず、ましろの後ろ回し蹴りがシロクマさんのミゾオチにクリティカルヒットした。見事に吹っ飛ぶシロクマさん。

アムちゃんが、とどめにシロクマさんの頭を突っついた。シッポを丸めて逃げていくシロクマさん。

M:ちゃとぽん、大丈夫?

S:うん、ありがと♪ さすがましろやね

2人は笑顔になった。

S:あっ、ペンペンは!?

M:今、獣王が傷口を舐めてるみたい

S:大丈夫かなあ・・・

おいらはペンペンの元に駆け寄った。


(ペンペンの図)

つか、獣王のやつ、ペンペンを食べてるんちゃうやろな〜・・・

おいらは獣王の横に並び、ペンペンを覗き込んだ。不思議なことに、獣王が傷口を舐めるたびに、傷口が塞がれていくような感じがした。血まみれの瀕死の重体だと思っていたペンペンの皮膚は白と黒の色が鮮やかになっていった。

ん〜!?

ペンペンを心配そうに見つめていると、摩訶不思議なことに、アムちゃんがおいらの頭の上に乗っかってきた。

ぴきゃっ♪

S:きゃあああっ!

M:おや〜?

おいらがビックリして腰を氷の上に落としたら、アムちゃんはバサバサ〜ッと飛び立って、ましろの頭の上に降り立った。

S:何だ〜!?

M:ちゃとぽん、アムちゃんに気に入られたんじゃないの〜?

S:ん〜なこたぁないやろ・・・

おいらはアムちゃんを見た。ましろの頭の上で何事もなかったかのよーに平然と毛繕いをしている。

S:ほよ〜・・・、そーいえば、おいらがかけてあげたマフラーをしてないぞ。まっ、しゃーないかな、この騒ぎじゃ

M:探してみる〜?

S:って言っても、何処を探せばいいかわからんし、シロクマさんが戻って来たら厄介やから、サクッとこの場所から引き上げるとしますかねえ!?

M:うん

S:それにしても、ペンペン、どーしよー

2人はペンペンを見た。ペンペンはいつの間にか立ち上がっていた。ケガなんかしてなかったよ〜、みたいな感じに見えた。

M:あれ〜、このペンギン元気なんじゃないの〜?

S:ん〜、そんなハズはないんやけどねえ・・・。まさか獣王が治したとか!?

おいらましろと獣王とアムちゃんを順に見たペンペンは、一瞬、微笑んだようにおいらには見えた。

おいらが首を傾げると、ペンペンも首を傾げた。おいらが反対側に首を傾げたら、ペンペンも反対側に首を傾げた。

ムムッ・・・

ペンペンは、翼だか手だか前足だかをブルブルッと震わせてから、トコトコとゆっくり歩き出した。

あれっ、今、ウィンクした!? なわきゃないか・・・

S:ついて行ってみるべ

M:うん。面白そう☆

ぽんぽこ団御一行様は、何処へたどり着くかさえもわからないまま、トコトコと歩くペンペンに連れられていった。

S:もしかして、宝物があるとこに連れて行ってくれちゃったりとか!?

M:そうだったらいいね

見渡す限り、氷しかない世界は、みんなを不安にさせた。それでも、後ろを振り返らず、前に進んでいくのがぽんぽこ団のポリシーなのだ。。。かな。

何メーター何キロ進んだかわからない。氷の他には何も視界に入らない。食べ物の「た」の字もありゃしない。

S:ましろ! おいら、お腹が減ったあるよ

M:そんなこと、ましろに言われても。。ちゃとぽんが食料の調達出来ないんじゃ、ましろに出来る訳ないじゃん?

S:ふむ〜・・・

M:そんなんじゃ、総料理長失格だよ〜?

S:げっ!

氷に穴をあけて釣りをしたら、ワカサギとかシャケとか釣れるんかな・・・

そんなしょうがないことをおいらが考えていると、ましろが何かを発見したようだ。

M:あれ〜っ、ちゃとぽん、なんか光ってる〜

S:何処何処〜!?

M:あそこの・・・、ホラッ!

ましろが指を指す方向を見ると、確かに金色に光っている何かがあった。ペンペンはどうやらそこに向かってるようだ。

S:ぬおおおっ!

ぽんぽこ団御一行様は走り出した。最後は、ペンペンが後からついてくるような隊列となった。金色に光るモノへと2人は近づいた。

M:宝箱。。綺麗だね〜

S:うん

後から来たペンペンはおいらの顔を見つめた。おいらが首を傾げると、ペンペンも首を傾げた。

S:すごいぞ、ペンペン!

M:だね〜

ましろはペンペンに向かって言った。ペンペンの頭を撫でている。

何か、ムムッ・・・

S:ほらほらっ、そんなとこでイチャついてないで、宝箱、開けてみるぞよ

M:うん☆

S:どれどれ、鍵はかかってないやろねえ・・・

思い切って、宝箱を開けるみると、1枚の紙切れが出てきた。

S:何これ。「宝は頂いた。ここには、もう何もないも〜ん!」だって・・・

あれ〜、前にも見たことがあるよーな・・・

M:誰か持って行っちゃったんだね〜? 

S:だね。ざんね〜ん! どーする、この宝箱だけでも記念に持って帰る!? けっこう綺麗だよ。金色だし、重いし。。。純金かもしれないやん

M:いいよ。ましろが興味あるのは、宝箱じゃなくて宝物だもん。。さっ、ちゃとぽん、帰っぞ〜!

S:うん♪

さっそうと歩き出したましろおいらは宝箱に後ろ髪を引かれて振り返ってみた。そこには、ダイヤモンドダストが反射してキラキラと輝く宝箱があった。

M:あっ、あそこに船がある

ましろは指を指した。自分のマフラーを外し、アムちゃんの首に巻いてあげている。

ぴきゃっ♪

おいらましろとアムちゃんを見て微笑みながら言った。

S:今回の旅は残念だったね

M:うん。って、ちゃとぽ〜ん! ペンギンついて来ちゃってるよ。ど〜するの〜?

S:どーするって。。。どーしましょう!?

M:ちゃとぽんの後を追ってるみたいだから、ちゃとぽんが決めてね〜

S:ふむ〜・・・

おいらは後ろから歩いてくるペンペンを見た。

S:一緒に来る!?

おいらはペンペンに聞いた。ペンペンは首を傾げた。

すると、突然、アムちゃんがペンペンの頭をワシづかみにして、船に向かって飛んでいった。

S:・・・らしいよ

おいらは船の方を指差し、ましろに言った。

M:ふふっ。名前は何て言うの〜?

S:ん? ペンペンはペンペンやろ

M:方向音痴なんだね、北極にいるなんて。ちゃとぽんと似てるんじゃないの〜?

ましろは笑顔になった。ましろが笑うと、氷の世界も一面の花畑になる。寒く厳しい世界にいても楽しくなれる。ましろの笑顔がおいらは大好きだ。

S:さっ、おうちへ帰ろ

M:うん☆

2人は手を繋いで、船に戻っていった。ちなみに、獣王は2人の後を大人しくついていったとさ。

みゃあああっ♪

S:あっ、そーいえばさあ・・・

M:うにゃっ?

S:オーロラを見て帰ろ♪ きっととっても綺麗だ4

M:うん☆ オーロラに向かって、しゅっぱ〜つ、しんこ〜〜〜ぅ!

S:お〜〜〜っ!

仲間がまたまた増えた海賊ぽんぽこ団。提督のましろに、総料理長のおいら、虹色の鳥アムちゃん、ライオン(♂)獣王、はぐれペンペンで、今後も虹色の宝箱探しが続くのです。行く手には何が待ってるのか、危ぶむなかれ、危ぶむなかれ、進めば分かるさ。1、2、3、ダーッ♪

おっしまい!m(__)m

注)海賊ぽんぽこ団にまたまた新たな仲間が加わりました。バビル2世みたいに、ロデムとポセイドンとロプロスのよーに3つのシモベになったのか!?(古)今度は何処に行きましょうかねえ。。。つか、ペンペンがポセイドンなのか!?(^_^;)